Match Report #12
日 時:2020年12月13日(日)
大 会:第100回天皇杯4回戦
会 場:広島広域公園第一球技場
対戦相手:福山シティFC
結 果:負け(1 - 2)
福山シティに完敗。2020シーズンの最終戦に。
【プレッシング vs ビルドアップ 対照的なスタイルの戦い】
福山シティは戦術的にとても洗練されているチーム。所属は広島県リーグ1部ですが、レベルとしては地域CLに出てJFL昇格を十分に狙うことができる力を持っています。
フォーメーションは4-1-4-1で、ボールを支配し、試合の主導権を握るスタイル。
ピッチを幅広く使いながらスペースを作り、中央やDFの背後を突いてくるクオリティの高さは練習試合で体験しており、十分理解していました。
相手はGKからボールを繋いでくるので、自分たちのプレッシングスタイルとは対照的。
いつも通り高い位置からプレッシャーをかけ、ボールを奪ってからスピーディーにゴールを目指そうと考えていました。
試合開始。序盤は計画していたプレッシングでボールの誘導に成功し、相手にうまく前進させませんでした。中盤でボールを奪える場面もありましたが、その後のボールロストが目立ち、なかなかリズムを掴み切ることができない時間が続きます。
ビルドアップからはDF14三浦とMF26堀野のコンビネーションから右サイドを崩し、チャンスを演出しますが、得点は決められず。惜しい場面が続きます。
試合が進むにつれ、徐々に福山シティもこちらのプレスを交わす手段を見つけ出します。
15分を過ぎたあたりからこちらの運動量が落ち、中央を破られる場面が少しずつ増え、危険な場面が目立ち始めました。
飲水タイムのタイミングで、崩れつつあった中央のバランスを修正するため、フォーメーションを4-4-2に変更します。
しかし、これが完全に裏目に出ました。相手を一気に勢い付かせてしまいます。
ミドルゾーンまで引いて中央を固めるこちらに対し、ピッチの幅を使い、揺さぶりながら、中央にできたスペースを突いてきます。こちらにとって厳しい時間が続く中、左サイドを突破され、低めに上げられたクロスから先制を許してしまいます。
反撃に出ないといけませんが、全体的に重心が低くなってしまい、ボールを奪っても意図した形でボールを奪った訳ではないので選手間の距離が悪く、攻撃にうまく転じられません。すぐにボールを失ってしまい、また相手にボールをキープされる辛い時間が続きました。ただ、ここでもう一度体力の消耗が激しい4-3-3のプレスに戻せば、チームのバランスを大きく崩すことになるので、前半はこのまま耐えながら、少しずつチームの重心を上げていく機会を伺うことにしました。
【PKで2点目を献上。ブロックを敷く福山】
立ち上がりは良かったですが、プレッシングもひっくり返され、ブロックも攻略され、地獄のような前半でした。
後半はまた4-3-3に戻し、ボールの奪い方も当初のプランに戻しました。
ボールを奪う力と奪ってからのキープ力を高めるため、ボール奪取能力の高いMF16松尾を中盤に入れ、チャンスメイク能力の高いMF8山本を前線に配置します。
しかし、後半開始早々、右サイドを個人技で突破され、たまらずペナルティエリア内でファウル。PKを与えてしまいます。そのPKを沈められ、0−2の劣勢に。
以降、相手が自陣に引いてブロックを作る形になり、攻略が難しくなります。
後半15分に攻撃力の高いMF9林、MF27千川原を、終盤にもFW17中西をピッチに送り、アタッキングサードでの推進力を高めます。こちらも前がかりになっているので、カウンターを受ける危険性もありましたが、もう前に出るしかありません。
アディショナルタイムにCKのこぼれ球を林が押し込み1点を返します。それ以降も決定機を得ますが、決めることは出来ずにタイムアップ。
アルテリーヴォの2020シーズンが終了してしまいました。
選手たちは最後まで諦めることなくプライドをかけて走り、戦ってくれました。福山シティは戦術的に洗練されていて、思い切りもよく、とても強いチームでした。彼らを讃えると同時に、前半にフォーメーションを4-4-2変更し、重心を下げた自分自身の判断を悔やみます。あの判断で試合を難しくしてしまいました。
この試合に勝利すれば、紀三井寺での5回戦が待っていただけに、本当に悔やみ切れません。ホームで天皇杯5回戦を戦うことができれば、また和歌山のサッカーをステップアップさせられるはずだと意気込んでいましたが、私の力不足で叶えられませんでした。
さて、今回でこのマッチレポートも最後となります。
今年はコロナの影響で大変な1年となりました。それにも関わらず、変わらずご支援をいただいた皆様、いつも応援に駆けつけてくださり、勇気付けてくださった皆様に心から感謝申し上げます。皆様が支えてくださったからこそ、厳しい情勢でもサッカーが出来ました。
来シーズンこそJFLへの昇格を叶えるために、これからシーズンを振り返り、また歩き出そうと思います。
1年間ありがとうございました。
北口雄一
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